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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか? [【再掲載】]

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映画館で毎日上映されている映画。

有名俳優が出ていて、それなりに製作費がかかったあれ。基本的には映画会社が企画し、スタートする。最近では、テレビ局。ビデオメーカーが企画した作品の方が多い。或いは、製作会社が企画したものもある。いずれにしてもプロデュサーという肩書きを持つ社員が企画会議で、こんなプレゼンをする。

「ベストセラーの****を原作にした映画を、人気のタレント*****を主演で映画にしたいと考えます」最近はマンガ原作が多いが、まず、その版権を押さえる。「少年ジャンプ」では新連載が始まったとたんに各社から映画化、ドラマ化依頼が来るので、「***というマンガが人気!」といわれてからではすでに手遅れ。

というのは、映画にするにはベストセラーということが不可欠なのだ。せめて人気作家の作品であること。最低でも書籍になっていなければ、企画会議では絶対に通らない。つまり、知名度のない作品を映画化すると、タイトルからまず伝えて行かねばならない。そのためには膨大な広告料が必要だが、ベストセラー原作だと「ああ、あれね! 映画になるんだ」といって覚えてもらえる。

映画会社にとって大事なのは

「内容が面白いかどうか?」よりも「作品や作家に知名度があるか?」が重要なのだ。幸い、ベストセラーであれば、面白いからこそ売れた訳で、そこもクリアーできる。でも、逆にいえば、どんな面白いシナリオがあっても、原作ものでないと映画化はまずされない。

もし、無名の新人ライターが書いたシナリオがもの凄く面白くて、映画化すればヒットしそうだとしても、映画会社は決して採用しない。まず、先に上げた知名度がないからだ。

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例えば若いPが「このシナリオ面白いですよ!映画化しましょう」

と提案しても、こういわれるだろう。「その映画がヒットする保証はあるか? 原作が500万部売れていれば、10%の50万人が映画館に来るという計算ができるが、原作がなければ、そんな計算もできない。何よりお前がそのシナリオを面白いと思うだけで、一般の人は興味を持たないかもしれないだろう」

もし、その若いPが何らかの手段で映画化しても、ヒットしないと「お前が面白い、絶対にヒットするといっただろう?」と責任を追求される。だから、バカらしくなり、そんな提案をするPはいなくなる。さらに、ベストセラー原作を提案して、ヒットしなかった場合は「500万部売れたマンガを原作にして駄目なら仕方ないですよ」という言い訳ができる。だから、若手Pも次第にオリジナル・シナリオを提案することはなくなる。

この構図の基本的な問題点は、

映画化の決定権を持つ重役たちがベストセラー原作の知名度のみにこだわるということだけでなく、シナリオを「読む力」がないということだ。そして「これは当たる!」という商売的な勘がないということ。だから、売れた原作ものに頼る。或いは頭が古くて、新しいものが理解できないか? いずれにしてもシナリオを「読む」力も、時代を「読む」力もないということなのだ。

もうひとつ、「俺は命をかけて、この作品をヒットさせる!」という思いもない。成功させるより、失敗したときのことを先に考えて、まず逃げ道を作る。「ベストセラー原作で駄目なら仕方ない」自分には責任がないと弁解できるようにしているだけだ。

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同じことは他にも言える。

「人気タレントが主演だから」「有名アーティストが主題歌を唄うから」「テレビシリーズの映画化だから」みんな、ヒットするからというより、万が一ヒットしなくて責任を追求されないための提案なのである。真剣に映画を売って会社に大損失を与えたら、窓際に飛ばされる。そうならないようにPたちは「人気ブランド」にすがるのである。これが多くの日本映画が作られる経緯だ。


作品内容そのものより。ベストセラー原作、人気タレント、有名アーティストの主題歌を重用視。それぞれが相反するものでもおかまいなし。そうして決まった企画をテレビ局、レコード会社、コンビニ、メーカーと、いろんな企業から出資を募り、映画化。撮影に入る。

「この作品を作りたい!」とか「このテーマを伝えたい」という思いはほとんどない。がビジネスなので、それはいいとしよう。それならがんばって儲けてもらいたいのだが、単に人気のカードを揃え、多くの金を集めて、大宣伝して上映しようというだけの発想。料理だって高級食材ばかり集めたからと、おいしい料理が作れる訳ではない。映画も同じだ。

が、次第に観客もそれに気づき始めている。

テレビで大宣伝しても、ヒットには繋がらなくなってきた。食品でも、車でも、テレビでも、何でも同じ。作り手側が作りやすい、都合のいいものを作り、冒険も、チャレンジもしない。リスクも負わないでいるようでは、いい物はできず、消費者は満足しない。映画も同じだ。でも、まだまだ、映画会社やテレビ局は、相も変わらず、「人気カード」集めに右往左往しているのが現状だ。


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